JASPM25

JASPM(日本ポピュラー音楽学会)会員以外の皆様へ
会員でなくても、JASPM25の催しに参加できます。事前申込は要りませんが、大会受付で所定の参加費を頂戴いたします。シンポジウムのみを聴講する場合は1,000円、シンポジウム+個人研究発表+ワークショップを聴講する場合は、学生の方は3,000円、学生以外の方は4,500円を、それぞれお支払いください。懇親会にも参加できます。学生の方は4,000円、学生以外の方は5,000円を懇親会参加費としてお支払いください。学生の方は学生証の提示をお願いいたします。

JASPM会員で大会に参加する皆様へ
大会参加費等は、お送りしてあります払込取扱票にて、11月22日(金)までにお振込ください。
大会準備を円滑に進めるため、ご協力をお願いいたします。

(JASPM25実行委員長 鈴木慎一郎)


JASPM25にようこそ!


ごあいさつ
大会実行委員長 鈴木慎一郎

2013年のJASPM大会は、12月7日(土)と8日(日)に、関西学院大学の西宮上ケ原キャンパスにて開催されます。いわゆる阪神間の地域に立地するこのキャンパスへは、大阪梅田と神戸三宮からほぼ同じくらいの時間で来ることができます。宝塚大劇場や甲子園球場などの歴史のある娯楽施設も数キロの圏内にあります。阪神間モダニズムという言葉があるように、近代なるものについて考えさせてくれる絶好の環境のひとつと言えそうです。JASPM大会も25回というひとつの節目を迎えようとしています。会場で多くの皆さんとお会いできますことを待ち望んでおります。


シンポジウム


シンポジウム 12月7日(土)13:00~16:30 G号館3階301

《エキゾティシズムとその向こうにあるもの――ポピュラー音楽の(非)嫡出子たち》

このシンポジウムの狙い

 エキゾティシズムは通常、「異郷趣味」などと訳されます。今ここにいる自分にとっての、なじみの薄いもの――他の時間、他の場所、他の存在――が放つ魅力や、それらの魅力をめぐる好奇心、というふうに、広くとらえてみてもよいでしょう。世界各地のポピュラー音楽が実践されてきた歴史は、こうした好奇心に満ち満ちています。他者をエキゾティックな存在としてとらえ、自己をその他者に似せるという、擬装・擬態・模倣のふるまい。あるいは、他者からのまなざしを経由して、自己をエキゾティックな存在としてとらえなおすようなふるまい。
 こうした「他者」としては、人種的・民族的他者、階級的他者、性的他者がまずは思い浮かぶでしょう。またその他者は、自己にとって同じ時代に同じ社会で生活する「近くの他者」である場合もあれば、時間的・空間的にも離れた「遠くの他者」である場合もあります。さらには、地球人にとっての惑星的他者(異星人など)、人間にとっての非人間という他者(人間以外の生物種や、モノ・機械など)も含んでいることがあります。エキゾティシズムに端を発するさまざまなポピュラー音楽は、のちには何らかの集団(例えば、一つの国民集団)にとっての正統な「嫡出子」とみなされていったこともあれば、そうならなかったこともあります。
 エキゾティシズムを契機とした文化実践は、実際のマイノリティ集団を擬装・模倣するような実践の場合にとりわけそうですが、その集団をステレオタイプ化しロマン化するものとして、近年では「政治的正しさ」の観点から批判を浴びがちです。しかしこのシンポジウムでは、そうした表象と権力の問題をも充分にふまえながら、「エキゾティシズムとその向こうにあるもの」と特に銘打つことで、自他の関係性をめぐる想像力にエキゾティシズムがもたらすかもしれない変化のほうへと、焦点を合わせてみたいのです。自他の境界線やそれぞれの範疇が、エキゾティシズムを契機にどう変わったか/変わらなかったかという過去をふり返るとともに、現在進行中のエキゾティシズムが何をどう変えうるか/変えられないかについて、思考をめぐらせてみたいのです。
 ご登場いただくパネリストとしては、JASPMの外と内からそれぞれ2人、このシンポジウムの狙いからすればまさにうってつけの4人を集めることができました。
 まずは今回のゲストの1人めである大石始氏が、〈ルーツ・ミュージック〉の発見をテーマに、ヒップホップやハウス/テクノがグローバルな音楽言語になって以降、自身の〈ルーツ〉とされるものを〈発見〉した各国の表現者を紹介し、今日的な〈ルーツ・ミュージック〉のあり方について分析します。
 次に、JASPM会員の輪島裕介氏が、戦後日本の大衆音楽における自己オリエンタリズム的な表象と、海外におけるステレオタイプな日本イメージの変容の相関について検討します。
 さらに、今回のもう1人のゲストである小川さやか氏が、タンザニアのポピュラー音楽「ボンゴ・フレーバbongo flava」における「政治・社会風刺」「他者表象」を、「ストリート化する政治」と「政治化するストリート」のあいだのズレに位置づけて分析します。
 そして、JASPM会員の大和田俊之氏が、アメリカのポピュラー音楽、とりわけ黒人音楽にみられる「擬装」志向を人種間のイメージのやりとりの中に位置づけ、エキゾティシズムがいかに生成され、消費されるかを検討します。
 本シンポジウムの視角は、これまでポピュラー音楽研究の分野でも論じられてきた、流用、パクリ、n次創作、アウトサイド指標、人種的腹話術、などなどの、複数の問題系とも交差するものとなるでしょう。本シンポジウムではまた、ポピュラー音楽への学的な関心でつながった私たち一人一人が、ひょっとしたらポピュラー音楽研究なる学問分野からすればそれぞれの仕方で「非嫡出子」であるのかも、という気がしてくる瞬間もあるかもしれません。
以上文責:鈴木慎一郎(JASPM25実行委員長・本シンポジウムコーディネーター)


パネリスト
大石始
1975年生まれ。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」ライター/編集。音楽雑誌編集者を経て、2008年よりフリーランスのライター/編集者として活動。2010年には関東ダンスホール・レゲエ・シーンの黎明期を描いた『関東ラガマフィン』(ブラッド)を上梓。2011年には各国の新興クラブ・ミュージックを紹介する『GLOCAL BEATS』(音楽出版社)を監修。2012年には〈日本のルーツ・ミュージック再発見〉をテーマとするコンピレーション・アルバム『DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ VOL.1』(タフビーツ)をプロデュース。各国のルーツ・ミュージックとストリート・カルチャーを中心に各メディアで執筆中。

輪島裕介
1974年生まれ。大阪大学大学院文学研究科(音楽学)准教授。東京大学大学院人文社会系研究科(美学芸術学)修了。博士(文学)。ブラジル・バイーア州のアフロ系音楽への関心を端緒に、「ワールド・ミュージック」現象の研究を経て、日本の大衆音楽史に漂着。南米、カリブにおける「国民的ポピュラー音楽」の創出過程を念頭に置いて「演歌」のジャンル化を記述した著書『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』(2010年、光文社新書)でサントリー学芸賞、IASPM非英語部門Book Prize受賞。出身研究室、現在の職場とも、「正統」な空間での「非嫡出子」的な立ち位置が習い性になっている。

小川さやか
1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科指導認定退学。博士(地域研究)。2000年よりタンザニアのムワンザ市で古着商人・路上商人のフィールドワークを実施。零細商人たちの商慣行と仲間関係を狡賢さ(狡知)を切り口に明らかにした著書『都市を生きぬくための狡知 タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(2011年、世界思想社)でサントリー学芸賞受賞。最近では、路上商人の組合化、東アフリカ諸国間の越境交易、中国とアフリカ間の模造品交易について、窮地を切り抜ける戦術や「はったり」「ごまかし」「笑い」等を主題に研究している。

大和田俊之
1970年生まれ。慶應義塾大学法学部准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程修了。博士(文学)。経済学部に入学したものの、必修の授業にまったく興味が持てず、ひたすら音楽サークルでの活動に没入して三回ほど留年を重ねる。大学院で念願のアメリカ文学研究をはじめ、その手法を応用して執筆した『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(2011年、講談社選書メチエ)でサントリー学芸賞受賞。他に、長谷川町蔵との共著『文化系のためのヒップホップ入門』(2011年、アルテスパブリッシング)など。現在『アルテス』電子版にハリー・スミス論を連載中。

司会
西村正男
1969年、ザ・ゴールデン・カップスが活動していた横浜で生まれ、関西で育つ。関西学院大学社会学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(中国語中国文学)修了、博士(文学)。第二次天安門事件の衝撃で中国語中国文学専修に進学するが、ポピュラー音楽への関心は断ちがたく、近年は中国メディア文化史というテーマに取り組んでいる。音楽関係の論文に、「中国現代作家と流行歌曲 魯迅、張天翼の事例から」「黎錦暉作「毛毛雨」の発表時期をめぐって」「映画『桃花江』における中国性」など。その他、グループサウンズと華僑、トルストイ『復活』と中国の音楽映画、西洋で最も有名な中国の流行歌 “Rose, Rose, I Love You” などについての論文を準備中。


ワークショップ


ワークショップ 12月8日(日) 14:00~17:00

ワークショップA G号館3階301

ポピュラー音楽の美学と存在論(2):今井論文をめぐるオープン・ディスカッション

問題提起者:増田聡(大阪市立大学;コーディネーター)
問題提起者:今井晋(東京大学大学院)
討論者:森功次(日本学術振興会特別研究員/山形大学)
司会:谷口文和(京都精華大学)

ワークショップB G号館2階201

ポピュラー音楽と女子

問題提起者:吉光正絵(長崎県立大学;コーディネーター)
問題提起者:屋葺素子(関西大学非常勤講師)
問題提起者:藤下由香里(同志社女子大学大学院)
討論者:井手口彰典(立教大学)

ワークショップC G号館2階202

「音楽の力」とは何か? ミュージッキングを再考する

問題提起者:吹上裕樹(関西学院大学大学院;コーディネーター)
問題提起者:鈴木謙介(関西学院大学)
討論者:中村美亜(東京藝術大学)
司会:名部圭一(桃山学院大学)


大会参加費および懇親会費


大会参加費と懇親会費.jpg


会場



関西学院大学 西宮上ケ原キャンパス G号館

関学アクセスマップ.jpg  G号館へのマップ.jpg                  
                           注意:キャンパス正門からG号館入口まで歩いて5分ほどかかります!


大会のご案内


ダウンロード>>JASPM25案内-大会内容.pdf
ダウンロード>>JASPM25案内-アクセス.pdf

大会事務局連絡先

兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155
関西学院大学 社会学部 鈴木慎一郎
ssdeya_at_kwansei.ac.jp(_at_をアットマークに変えてご送信ください)                
                                                   ヨコ関学125ロゴミニeng.jpg

  • 最終更新:2013-11-18 20:49:33

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